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峠の地蔵尊の由来

今から一千二年前。六十八代後一条天皇の寛仁元年まれにみる

大津波が起こりました。この津波のため桧峠のふもと(藤枝市瀧沢部落)

一帯まで津波が打ち寄せたとのことであります。村人たちはこの桧峠に

登って避難したのですが、津波が引けた或る夜のこと、草むらの中で

ピカピカ光る不思議なものがあることに気づきました。毎晩毎晩同じ場所で

同じように光を放つので村人たちは、ある夜竹や木の棒を持って恐る恐る近付いて行きました、

近づくにつれ何とも言えないとてもいい香りがして来たので土に埋まった不思議なものを掘り出す

ことになりました。すると貝や小石が幾つもはりついている古い石のお地蔵様が出てきました。

この不思議な光と香りを放つ地蔵さまをいつまでも末永くおまつりしようと言うことになって

小さなお堂を建てまつったのです。そのまつった地名を鯵沢(あじさわ)と言われて居ます。

小石や貝殻は苦難にあった地蔵さまを護ったものとしていっしょにまつられました。何年かが経った後のこと

院生の坊さんがある晩不思議な夢を見ました。「もしこの小石や貝殻を、奇病(天然痘)にわずらっている

こどもの身につけて地蔵さまを信心しまつっていけば病気を軽く済ませてやる、そしてこの土地に住みつく住民のくらしを守り、豊かになるよう加護してあげよう」と言われたことであります。

後にこの石のことを投石といわれ国、県、将軍まで重視し、中央の和合院の命によりこの地蔵さまを鯵沢より

桧峠へ移したと、言われたと言うことであります。

以来毎年八月二十四日を例祭日として峠の人達を中心に盛大なお祭りをつづけております。

森林組合長 西田 数人様 (平成元年頃か地蔵さまに寄贈)

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